ご挨拶

山形県立致道館中学校・高等学校は、ともに120年を超える歴史がある鶴岡南高校と鶴岡北高校の統合と、新たに中学校を併設した中高一貫教育校として、令和6年4月に開校いたしました。

基本理念は「自主自立」「新しい価値の創造」「社会的使命の遂行」であり、校名の致道館は、「庄内藩の藩校であった致道館の教育は、個性に応じて才能を伸ばすこと、自ら考え意識を高めること、意見を出し合い問題点を明らかにして解決策を考えること」を重視しており、本校の教育理念に通じるものがあることもあり、校名が決定いたしました。

校章は、「心」の文字をシンボライズしたデザインで、上方に向かって伸びていく構図は、生徒の成長や飛躍を表しており、5色を用いて生徒の個性や進路などの多様性を表現しています。

今は、予測不可能な時代と言われ、正解の無い課題も数多くあり、これからの社会を生き抜いていくためには、他者と協働しながら新しい価値を創造する力がとても重要です。様々な人と話し合ったり、協力したりしながら多くの人が納得できるような、言ってみれば、正解に対する言葉としての「納得解」を求めていく力をつけることが大切になっています。

開校にあたり、鶴岡南高校・鶴岡北高校の良さを生かしながらも、致道館高校としての歩みを進めており、様々な取組みに挑戦しているところです。特に、これまでの鶴岡北高校や鶴岡南高校で行ってきた「協働的な学び」を一層取り組んでいくこととしています。それを推進していくための大きな柱として、探究型学習を含めた文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール事業を、鶴岡南高校から引き継いで取り組むこととなり、第Ⅲ期の2年目となりました。

本校の近況について御報告させていただきます。鶴南・鶴北の卒業生を合わせて国公立大学には167名が合格し、難関大学の合格状況は、東京大学、一橋大でそれぞれ1名、東北大3名、北海道大4名、筑波大1名、東京外国語大1名をはじめ、医学部医学科合格は4名となりました。私立大の合格者数は延べ406名で、早稲田大、慶応義塾大各1名、明治大6名、同志社大1名、立命館大3名など、鶴南・鶴北の最後の卒業生として素晴らしい結果を残してくれました。過年度生においても、東北大、新潟大学医学部、千葉大などに合格するなど健闘しました。

部活動では、6月24日現在の主な結果として、アーチェリー男女団体と陸上部2名、ウェイトリフティング1名がインターハイ出場権を獲得し、東北高等学校アーチェリー選手権大会において、男子団体で優勝しました。文化部では、吹奏楽研究会と音楽部が記念すべき第1回の定期演奏会を、それぞれ荘銀タクト鶴岡を会場とし、満席の観衆のもと成功裏に終えることができました。昨年度までと同様、それ以上に各部とも活躍しており、今後も大いに期待しているところです。
また、6月13日には中学生を含めた全校生徒が参加し、野球とサッカーの致道館・鶴岡工業定期戦があり、新たな伝統の幕開けとなりました。

知識も技術も日々進展を続けるグローバル社会の中で、一人ひとりの生徒が、自分の良さや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値ある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の作り手となることができるよう、学校としての役割を担っていくことになります。そして、これからの時代を主体的に生きる力を身に付けた生徒育成に向けて、皆様方の期待に応えることができるよう、教職員一同、生徒と共に致道館の新しい未来に向けて一歩ずつ突き進んでまいります。

最後になりますが、昨年まで鶴翔同窓会、如松同窓会として、それぞれの学校の教育活動に対し、御理解と御協力を賜り誠にありがとうございました。教職員一同頑張ってまいりますので、致道館高等学校同窓会の皆様の益々の御支援を重ねてお願い申し上げますとともに、皆様の御健勝と致道館高等学校同窓会の益々の御発展を御祈念申し上げ、あいさつといたします。

致道館高等学校 校長 遠田達浩